直木賞作家
杉本 苑子 さん死去
2017年(平成29年)5月31日 死去 享年91歳
直木賞作家 杉本 苑子 さん死去
歴史小説で知られる直木賞作家で文化勲章受章者の 杉本 苑子(すぎもと そのこ)さんが 2017年(平成29年)5月31日午前5時30分、老衰のため静岡県熱海市の自宅で死去した。91歳だった。
文化学院卒業後、吉川英治に師事。
1963年(昭和38年)に「孤愁の岸」で第48回直木賞を受賞。
1978年、「滝沢馬琴」で吉川英治文学賞。1986年、「穢土荘厳」で女流文学賞。
他の作品に「春日局」「埋み火」「マダム貞奴」「悲華 水滸伝」など。
2002年(平成14年)、文化勲章綬章。
生涯独身であったため、著作権を含む全資産について、居宅を構えた静岡県熱海市などへ寄贈すると表明していた。

人物 / 略歴
杉本 苑子(すぎもと そのこ、1925年6月26日 ~ 2017年5月31日)
現:東京都新宿区出身。文化勲章受章者。
◆ 略 歴
1943年(昭和18年)、駒沢高等女学校(現:駒沢女子大学)卒業。
1949年(昭和24年)、文化学院文科卒業。
1952年、「燐の譜」で『サンデー毎日』の大衆文芸賞に入選、このとき選考委員だった吉川英治に師事。
しかし、吉川の指示により10年間は作品を一切発表しなかった。
1961年、初めて商業誌『別冊週刊朝日』に「柿の木の下」を発表。
同年には処女創作集『船と将軍』を刊行する。
1962年、『孤愁の岸』で第48回直木賞を受賞。
だが、師である吉川は作品の完成の1か月前に死去。
以後、歴史小説家としての地歩を固めていった。
1977年、『滝沢馬琴』で吉川英治文学賞を受賞。
1985年に『春の波濤』がNHK大河ドラマとして放映される。
1987年、紫綬褒章。
1995年度文化功労者。
2002年、文化勲章綬章。
2017年5月31日、老衰のため静岡県熱海市の自宅で死去。91歳没。
特記事項
生涯独身であったため、著作権を含む全資産について、居宅を構えた静岡県熱海市へ寄贈すると表明していた。
◆ 受賞歴
◇ 1951年 「申楽新記」でサンデー毎日百万円懸賞小説佳作
◇ 1952年 「燐の譜」で第42回サンデー毎日大衆文芸賞入選
◇ 1962年 「孤愁の岸」で第48回直木賞
◇ 1977年 「滝沢馬琴」で第12回吉川英治文学賞
◇ 1977年 「戦乱 日本の歴史」(小学館)
◇ 1986年 「穢土荘厳」で第25回女流文学賞
◇ 1987年 紫綬褒章
◇ 1995年 文化功労者
◇ 1997年 熱海市名誉市民
◇ 1999年 NHK放送文化賞
◇ 2002年 第50回菊池寛賞
◇ 2002年 文化勲章◆ 作品リスト
★ 1990年以降
◇ 『新とはずがたり』1990年、講談社
◇ 『菜摘ます児 杉本苑子自選短篇集』学芸書林 1990
◇ 『利休 破調の悲劇』講談社 1990
◇ 『決断のとき 歴史にみる男の岐路』文藝春秋 1990
◇ 『鶴屋南北の死』文春文庫 1990
◇ 『散華-紫式部の生涯』1991年、中央公論社
◇ 『はみだし人間の系譜』読売新聞社 1991
◇ 『引越し大名の笑い』講談社文庫 1991
◇ 『大江戸ゴミ戦争』文藝春秋 1991
◇ 『汚名 本多正純の悲劇』毎日新聞社 1992
◇ 『秋蘭という女』講談社文庫 1992
◇ 『霧の窓 随筆集』光風社出版 1992
◇ 『女人古寺巡礼』講談社 1992
◇ 『竹ノ御所鞠子』1992年、中央公論社
◇ 『小鳥の食卓』中央公論社 1993
◇ 『少年少女古典文学館 今昔物語集』講談社 1993
◇ 『悲劇の風雲児』講談社文庫 1994
◇ 『天智帝をめぐる七人』1994年、文藝春秋
◇ 『銀の猫』(短編集)読売新聞社 1995
◇ 『落とし穴 鎌倉釈迦堂の僧たち』PHP研究所 1996
◇ 『私家版かげろふ日記』文化出版局 1996
◇ 『万葉に生きた女性たち』(CD)アートデイズ
◇ 『春風秋雨』読売新聞社 1997
◇ 『杉本苑子全集』全22巻 中央公論社 (1997年~1998年)
◇ 『じじばばの記』双葉ノベルス 1997
◇ 『杉本苑子歴史エッセイ』全2巻 小学館、1997
◇ 『風の群像』1997年、日本経済新聞社
◇ 『悲華水滸伝』1998年、中央公論社
◇ 『一夜の客』読売新聞社 1998
◇ 『万葉の女性歌人たち』日本放送出版協会 1999
◇ 『女性はどう学んできたか 卑弥呼から江戸庶民の女まで』集英社新書 1999
◇ 『山河寂寥 ある女官の生涯』(1999年、岩波書店
◇ 『能の女たち』文春新書 2000
◇ 『流されびと考』文藝春秋 2002
◇ 『愛に生きた女たち・男たち にっぽんラブストーリーズ』日本放送出版協会 2002
◇ 『戦国二人三脚 まつと又左と子どもたち』日本放送出版協会 2002
◇ 『おくのほそ道人物紀行』文春新書 2005