作家 坂東 眞砂子 さん死去
2014年(平成26年)1月27日 死去 享年55歳
作家 坂東眞砂子 さん死去
山妣(やまはは)や曼荼羅道(まんだらどう)などで知られる直木賞作家の 坂東 眞砂子(ばんどう まさこ)さんが 2014年(平成26年)1月27日午前11時13分、高知市内の病院で死去した。55歳だった。
1993年(平成5年)にホラー小説ブームの先駆けとなった「死国」で注目を集めた。その後、ホラー小説を次々に発表し、1997年(平成9年)に明治時代の雪深い越後地方を舞台に、男女の複雑な人間関係を描いた「山妣」(やまはは)で第116回直木賞を受賞。
昨年春に舌がんの手術を受け、年末に肺に転移が判明し入院治療を受けていたという。

人物 / 略歴
坂東 眞砂子(ばんどう まさこ、1958年(昭和33年)3月30日 ~ 2014年(平成26年)1月27日)
高知県高岡郡佐川町に生まれる。
◆ 略 歴
奈良女子大学家政学部住居学科卒業。
童話作家育成雑誌「のん」で認められ、児童向けファンタジー小説で作家としてデビュー。その後、一般小説に転向した。ホラー小説と呼ばれるジャンルの作品も多いが、「死」と「性」を主題とした作品が特徴である。
タヒチ(仏領ポリネシア)に在住し、家庭菜園で自足自給する生活を送っていたが、故郷の高知に戻り、2009年6月にイタリアンカフェをオープンさせた。
20世紀末から21世紀初頭の日本人の前向きな実感は食欲と性欲しかないのではないか、という主観のもと、表現を続ける。
特記事項
◆ 坂東眞砂子 / 受賞歴
◇ 第1回ノンノ・ノンフィクション賞
◇ 1982年 第7回毎日童話新人賞優秀賞 - 『ミルクでおよいだミルクひめ』
◇ 1994年 第1回日本ホラー小説大賞佳作 - 『蟲』
◇ 1996年 第3回島清恋愛文学賞 - 『桜雨』
◇ 1996年 第116回直木賞 - 『山妣』
◇ 2002年 第15回柴田錬三郎賞 - 『曼荼羅道』
◆ 坂東眞砂子 / 著書(2000年以降)
◇ 神祭 岩波書店 2000 のち角川文庫
◇ 愛を笑いとばす女たち 新潮社 2000 のち文庫
◇ 13のエロチカ 角川書店 2000 のち文庫
◇ イタリア・奇蹟と神秘の旅 角川書店 2000 「聖アントニオの舌」文庫
◇ 道祖土家の猿嫁 講談社 2000 のち文庫
◇ 愛と心の迷宮 イタリアと日本 岩波書店 2001
◇ 曼荼羅道 文藝春秋 2001 のち集英社文庫
◇ 夢の封印 文藝春秋 2002 のち文庫
◇ わたし 角川書店 2002
◇ 善魂宿 新潮社 2002 のち文庫
◇ 快楽の封筒 集英社 2003 のち文庫
◇ 岐かれ路 春話二十六夜 新潮社 2004 のち文庫
◇ 月待ちの恋 春話二十六夜 新潮社 2004 のち文庫
◇ 梟首の島 講談社 2005 のち文庫
◇ 血と聖 角川書店 2006
◇ 異国の迷路 JTBパブリッシング 2006 のち新潮文庫
◇ 天唄歌い 朝日新聞社 2006 のち文庫
◇ 南洋の島語り タヒチからの手紙 毎日新聞社 2006
◇ 鬼に喰われた女 今昔千年物語 集英社 2006 のち文庫
◇ パライゾの寺 天国 文藝春秋 2007
◇ 花の埋葬 24の夢想曲 集英社文庫 2007
◇ 傀儡 集英社 2008
◇ 鬼神の狂乱 幻冬舎 2008
◇ 見知らぬ町 岩波書店、2008
◇ ブギウギ 角川書店、2010
◇ 貌孕み 文藝春秋 ※装画:七戸優
◇ 朱鳥の陵 集英社 2012